ゴンツェン鉱山(Bergwerk Gonzen)

ゴンツェン鉱山(Bergwerk Gonzen)

サルガンス郊外にある、スイス最大の旧鉄鉱山

ゴンツェン鉱山(Eisenbergwerk Gonzen/Bergwerk)は、サルガンス郊外のヴィルト(Vild)地区にある、スイス最大の旧鉄鉱山です。坑道の全長は約90kmにもなり、赤鉄鉱(ヘマタイト)、磁鉄鉱、ハウスマン鉱などが掘られていました。採掘は1966年に終わり、1983年から一部が見学できるようになっています。入口にはレストラン「Bergwerk」もあります。

サルガンス駅の背後にそびえる岩山・ゴンツェン(Gonzen)が、この鉱山のある山です。

鉄鉱石の街の歴史

サルガンスの北にそびえるゴンツェン山では、紀元前200年ごろから赤鉄鉱(ヘマタイト)などの採掘が行われていたとされ、ローマ時代にまでさかのぼる古い鉱山です。中世になると、周辺のフルムスやメルスなどに製鉄所があったことが1315年の記録に出てきます。1396年には、鉱山の権利を含むサルガンス伯領がオーストリアの抵当に入りました。15世紀には、ゴンツェンの鉄は硬いことで評価され、古いスイス盟約者団の武器の材料として重要な資源になりました。

17世紀以降も採掘は続き、1654年にヤーコプ・グートが採鉄を復活させました。1771年の記録には、坑夫の村ナウス(Naus)に約30人の労働者が暮らしていたとあります。19世紀に鉄道が通ると安い輸入鉄が入ってきて、生産は大きく落ち込みました。

1919年に鉱山会社(Eisenbergwerk Gonzen AG)が設立されると、削岩機や圧縮空気が導入され、本格的な工業的採掘が始まりました。第二次世界大戦中の1942年には、約380人の坑夫が約11万6000トンの鉱石を掘り出し、これが最盛期でした。戦後は国際価格の下落で採算がとれなくなり、1966年に採掘は終わりました。その後、1983年に見学用として一般公開されるようになりました。

鉱山ツアー

ガイド付きのツアーが定期的に開かれています。見学は予約制です。入口からトロッコ列車で約2km坑内に入り、その先を歩いて見学します。坑内は一年中約13℃なので、歩きやすい靴と暖かい服装で行きましょう。

通常のツアー(約3時間半)は、2026年は主に土曜の13:30スタートです。今年の残りの日程は、11月14日・11月28日・12月12日(いずれも土曜13:30)です。1日ツアー(約6時間)は11月7日(土)9:00で、最少催行人数があります。夏休み期間の短いツアー(約2時間)や、宿泊を伴う2日間ツアーもあります。日程は毎年変わります。

予約・問い合わせは、運営団体のPro Gonzenbergwerk(電話 +41 81 723 12 17、月〜金 9:00–11:00)か、公式サイトからどうぞ。

写真

サルガンスのロータリーにある鉱山のモニュメント
ロータリーにある鉱山のモニュメント(黄色い坑内用ローダーとトロッコ。交差したハンマーは鉱山のシンボルです)
ゴンツェン鉱山の入口。レストランBergwerkの看板
鉱山の入口。右はレストラン「Bergwerk」の看板と、ユネスコ世界遺産「サルドーナ地殻変動地帯(Tektonikarena Sardona)」の案内板
岩をくり抜いた鉱山入口の通路
岩をくり抜いた入口の通路。奥のガラス扉の先が展示スペースです
展示ケースに並ぶ鉱石
展示ケースの鉱石。赤鉄鉱(Hämatit)、磁鉄鉱(Magnetit)、ハウスマン鉱(Hausmannit)などが並びます
ナウスの鉱山での1日の展示(1928年ごろの坑夫たちの写真)
「ナウスの鉱山での1日」の展示。1928年ごろの坑夫たちの写真があります
鉱山ガイドツアーの案内板(2026年の日程表)
ガイドツアーの案内板(2026年の日程表)。要予約です
鉱山を支える企業・団体の名前を並べた壁
鉱山を支える企業・団体の名前を並べた壁。「Fürstentum Liechtenstein」の名前もあります

← リヒテンシュタインの街案内に戻る