リヒテンシュタインの街案内

リヒテンシュタインの街案内

11の自治体と、近郊のスイス・オーストリアの街ガイド

リヒテンシュタインは11の自治体(Gemeinde)からなり、人々のほとんどはライン川沿いの低地に暮らしています。ここでは、主な町と、近郊のスイス・オーストリアの街の見どころを紹介します。

🏛 Vaduz(ファドゥーツ)― 首都

ファドゥーツはリヒテンシュタイン侯国の首都で、人口約5,700人の小さな町です。街を見下ろす丘の上には、町のシンボルであり、元首である侯爵一家が暮らすファドゥーツ城(Schloss Vaduz)が建っています。城内は一般公開されていないため、残念ながら中に入ることはできません。城の前までは、街の中心部(シュテッドル通りの近く)から遊歩道「シュロスヴェーク(Schlossweg)」を約1km、徒歩20〜30分ほどで登れます。

ファドゥーツ城を街中から見上げた様子
街中から見上げたファドゥーツ城
ファドゥーツ城を下から見上げた様子
城の下から見上げたファドゥーツ城
夜のファドゥーツ城
夜のファドゥーツ城

街の中心は、バスターミナルを兼ねる郵便局(Post Vaduz)から北へ200メートルほど続く「シュテッドル通り(Städtle)」です。リヒテンシュタインのほぼすべてのバス系統は、Post Vaduzのバス停に到着します。

ファドゥーツ中心のシュテッドル通り
ファドゥーツ中心部のシュテッドル通り(Städtle)

🌙 夜のファドゥーツ:夜のファドゥーツは落ち着いた雰囲気で、ライトアップされた城や街並みが美しく映えます。シュテッドル通り、政府庁舎、国会議事堂は、ホテルやレストランから歩いて回れる範囲に集まっています。

夜にライトアップされたファドゥーツ城
シュテッドル通りから見上げた、夜のファドゥーツ城
夜のシュテッドル通り
夜のシュテッドル通り(右手がHotel Residence)
政府庁舎
夜の政府庁舎(奥は聖フロリン教会)
国会議事堂
夜の国会議事堂(Landtag)。奥にファドゥーツ城も見える

📮 切手博物館(Briefmarkenmuseum):観光案内所の2階にある、入場無料の博物館です。リヒテンシュタインの芸術的な切手とその歴史を解説しています。👉 詳しくはこちら(切手博物館の特集ページ)

🎨 リヒテンシュタイン美術館(Kunstmuseum Liechtenstein):郵便局の近くにある国立の美術館です。企画展が中心で(有料)、土日も開館しています。1階のカフェでは本格的なお寿司も味わえます。

🛍 お土産店や時計・宝飾店が軒を連ねますが、週末は休む店が多く、日曜日はほとんどの店が閉まっています。

🛂 パスポートスタンプ:観光案内所で押してもらえます(CHF 2/1.5ユーロ)。受付は平日 8:00–12:00・13:30–17:30で、土日は休みです。

観光案内所で押してもらえるパスポートスタンプ(FÜRSTENTUM LIECHTENSTEIN Tourist Office、2025年8月)
観光案内所で押してもらえるパスポートスタンプ(2025年8月)

🍷 ファドゥーツの中心から北(シャーン方面)へ歩いて5分ほどの所に、侯爵家のワイン畑とワインセラー(Hofkellerei)があります。侯爵家の紋章入りのワインが買えます。

🏘 Schaan(シャーン)

ファドゥーツの北隣にある、国内でいちばん人口の多い町です(それでも約6,000人)。多くのバス路線が集まる交通の要所で、町の中心には国内でいちばん大きな時計塔のある教会(Kirche Schaan)が建っています。郊外には、建設用工具で世界的に知られるHilti(ヒルティ)の本社があります。

夕暮れのシャーン。通りの先に教会の塔が見えます
夕暮れのシャーン。通りの先に教会の塔が見えます
🏙 Triesen(トリーゼン)

ファドゥーツの南隣にある、国内で3番目に人口の多い町です。バルザースとファドゥーツを結ぶ大通り沿いには、プライベートバンクや投資会社の立派な建物が並びます。国内唯一のマクドナルドがあり、スワロフスキーの工場もあります。

⛰ Triesenberg(トリーゼンベルク)

ファドゥーツとトリーゼンの東側、山の斜面に広がる町です。13世紀ごろにスイスのヴァリス地方から移り住んだヴァルザー(Walser)の人々が開いた村で、今もその文化が受け継がれています。斜面の上からは、ライン川の谷を一望できます。

玉ねぎ形の塔が目印のトリーゼンベルクの教会
玉ねぎ形の塔が目印のトリーゼンベルクの教会
トリーゼンベルクの斜面から見下ろすライン川の谷(8月)
トリーゼンベルクの斜面から見下ろすライン川の谷(8月)

町の奥には、標高約1,600mのスキーリゾートマルブン(Malbun)があり、ファドゥーツからバス(21番)で行けます。冬はスキー、夏はハイキングでにぎわいます。マルブンの気候はリヒテンシュタインの気候と天気、山の上の老舗レストラン「Berggasthaus Masescha」は食とレストランのページで紹介しています。

冬のマルブンに停まるLIEmobilのバス(21番・ファドゥーツ行き)
冬のマルブンに停まるLIEmobilのバス(21番・ファドゥーツ行き)
冬のマルブンの村の中心(2月)
冬のマルブンの村の中心(2月)
雪に覆われたマルブンの谷(2月)
雪に覆われたマルブンの谷(2月)
🏰 Balzers(バルザース)

サルガンスからバスでファドゥーツへ向かうとき、ライン川の国境を越えて最初に通る町です。町のシンボルは、丘の上にそびえるグーテンベルク城(Burg Gutenberg)。内部は非公開ですが、城の目の前まで登ることができます。

バルザースの町境の標識。奥の丘にグーテンベルク城が見える
バルザースの町境の標識。奥の丘の上にグーテンベルク城が見えます
バルザースの丘の上に建つグーテンベルク城を見上げた様子
町から見上げたグーテンベルク城
Gauschlaを背景に、丘の上に建つグーテンベルク城
スイスとの国境から望むグーテンベルク城。後ろの山はGauschla

🌉 歩いて越えられる国境:バルザースとスイスのトゥルーバッハの間には、ライン川に架かる橋があり、歩いて国境を越えられます。👉 詳しくはこちら(ライン川の国境の橋)

🇨🇭 リヒテンシュタイン近郊・スイスの街
🌿 Maienfeld(マイエンフェルト)

ブドウ畑に囲まれた小さな城下町で、『アルプスの少女ハイジ』の舞台として世界的に知られる町です。ヨハンナ・シュピリが書いた原作『ハイジ』の世界を再現した「ハイジ村(Heididorf)」があり、日本からもハイジ目当ての旅行者がたくさん訪れます。サルガンスからクール方面の電車で、バードラガーツの次の駅です。

マイエンフェルトの旧市街の街並み
マイエンフェルトの旧市街の街並み

🏠 ハイジ村(Heididorf):町外れの丘の上に、ハイジの家やアルムの小屋、ハイジ博物館、スイス最小の郵便局などが集まっています。マイエンフェルト駅からハイジ村を通って一周するハイキングコース「ハイジ・ウェグ(Heidiweg)」も人気です。

ハイジ村入口の歓迎看板
ハイジ村入口の歓迎看板。日本語の「ようこそ」もあります

👉 詳しくはこちら(ハイジ村の特集ページ)

🎾 Trübbach(トゥルーバッハ)

バルザースからライン川の橋を渡ったスイス側の町で、ヴァルタウ(Wartau)自治体に属しています。世界的テニスプレーヤーのマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis)が少女時代を過ごした町として知られ、あちこちで「マルチナ・ヒンギスのふるさとへようこそ!」という横断幕を見かけます。

トゥルーバッハ周辺ののどかな田園風景(4月)
トゥルーバッハ周辺ののどかな田園風景(4月)

バルザースからは歩いて行ける距離で、スイス側ののどかな田園風景も楽しめます。

🌉 ライン川の橋は歩いて国境を越えられます。👉 詳しくはこちら(ライン川の国境の橋)

🚌 Buchs(ブックス)

シャーンからライン川の橋を渡ったスイス側の町です。LIEmobilのバス12番(ブックス駅〜シャーン〜ファドゥーツ)の起点で、駅前のバス停からリヒテンシュタインへ向かえます。

紅葉した並木が続くブックス中心部のメイン通り
ブックス中心部のメイン通り。秋は並木が色づきます
ブックスの街並み
ブックスの街並み

国境の駅があり、シャーン・ファドゥーツ、ネンデルン、シャーンヴァルトなどに停まりながら、オーストリアのフェルトキルヒまで走る列車も発着しています。

フェルトキルヒでは高速列車(Railjet、EuroCity、Nightjet)に乗り換えられるので、ウィーンやインスブルック方面への拠点にもなります。ブックスの観光案内所は駅前にあります。

🚉 Sargans(サルガンス)

チューリッヒ方面からリヒテンシュタインへ向かう人の多くが利用する、交通の拠点の町です。駅の背後にそびえる岩山・ゴンツェン(Gonzen)が印象的です。駅前のバス停からは、ライム色(黄緑色)のLIEmobil(リヒテンシュタインのバス)が出ています。

サルガンスの町の背後にそびえる岩山・ゴンツェン(Gonzen)
サルガンスの町の背後にそびえる岩山・ゴンツェン(Gonzen)
サルガンス駅のバス停Aに停まるLIEmobilのライム色の連節バス(11番)
サルガンス駅のバス停Aに停まるLIEmobilのライム色の連節バス(11番・バルザース方面)

⛏ ゴンツェン鉱山:サルガンス郊外にあるスイス最大の旧鉄鉱山です。ガイド付きツアーで坑内を見学できます(要予約)。👉 詳しくはこちら(ゴンツェン鉱山の特集ページ)

🏰 サルガンス城(Schloss Sargans):丘の上に建つ城で、主塔は郷土博物館になっています。ラインバレーの眺めがおすすめです。👉 詳しくはこちら(サルガンス城の特集ページ)

⛷ Pizol(ピツォール)

標高2,844mの、この一帯でいちばん高い山です。ヴァングス(Wangs)からゴンドラとリフトを乗り継ぎ、標高約2,220mのピツォールヒュッテまで行けます(往復 CHF 54、スイス半額パス・GA使用で CHF 27。2026年夏季料金)。夏は5つの湖を巡るハイキング、冬はスキーでにぎわいます。料金は季節によって変わるので、公式サイトでご確認ください。

「5-Seen-Wanderung(5つの湖を巡るハイキング)」はピツォールヒュッテ(Pizolhütte)からガフィア(Gaffia)まで約10km、約3時間50分(逆回りは約4時間15分)のコースで、ワイルドゼー(Wildsee)が見どころです。

パノラマ高原ループ(Panorama-Höhenweg)は、ピツォールヒュッテとラウフベーデン(Laufböden)の間をまわる全長約3kmの周遊コースで、最高地点は標高2,275mの展望所タグヴァイトリヒコプフ(Tagweidlichopf)です。約1時間で歩ける手軽なコースです。山頂(標高2,844m)へのルートは上級者向けです。

♨️ Bad Ragaz(バードラガーツ)

サルガンスからクール方面の電車でひと駅、スイス有数の温泉保養地です。

タミナ渓谷(Taminaschlucht)へは、バードラガーツから旧温泉浴場(Altes Bad Pfäfers)まで、約4〜5km・標高差約170mの道を歩きます。高さ最大200mの切り立った崖と、8つの滝が見どころです。

旧温泉浴場の近くには、湧き出す温泉(36.5°C)を見下ろせる展望台があります(入浴はできません)。

ポストバス(PostAuto)や馬車(Rösslipost)でも行けます。渓谷は有料で、入場はスイスフランのみです。開園時間は公式サイトでご確認ください。

⛪ フェファース修道院(Kloster Pfäfers):バードラガーツ近郊の山の中腹に立つ、8世紀にさかのぼるベネディクト会の旧修道院です。ラインバレーの見晴らしがよく、教会の内部の装飾が見事です。👉 詳しくはこちら(フェファース修道院の特集ページ)

🏔 Engadin(エンガディン)

ラインバレーを上流へ足をのばした先にある、サンモリッツを中心とする山岳リゾート地帯です。週末などのリゾートステイにおすすめで、2泊すると、地域の鉄道・バス・ロープウェイが滞在中無料になるパスをホテルからもらえるのがとてもお得です(条件は宿泊先や時期で変わるため、公式サイトでご確認ください)。

👉 詳しくはこちら(エンガディンの特集ページ)

🇦🇹 オーストリアの街
🏰 Feldkirch(フェルトキルヒ)

リヒテンシュタインの北東に隣接する、オーストリア西部の古い城下町です。ファドゥーツからはLIEmobilのバス(11番)で約45分、30分おきに運行しています。

旧市街には石畳の路地が続き、おしゃれなカフェやレストランを探しながら歩くのが楽しい街です。丘の上のシャッテンブルク城は中世の要塞が当時の姿で残っており、城内のレストランでは巨大なウィーナーシュニッツェルが楽しめます。

👉 詳しくはこちら(フェルトキルヒ旧市街の特集ページ)